afterword by


Destinyのまだ初期のほう。アスランがミネルバに配属されて訪れたジブラルタル。
エピソードとして、Destinyではあのころが一番のお気に入りです。
ローエングリンゲート突破作戦、仲のいいミネルバのレッドたち、ハイネ、みんな含めて。
そのころの、まだ平和な頃の二人でした。

この作品、振り返ってみれば二年以上前のもので(うわあ)、二年経過した今、改めて読み直すと・・・・恥ずかしいことに、色々と酷い点が目立ってしまって、このままお蔵入りになるところでした。しかし、そう思うと同時に、やっぱりここは自分の原点だな、と再確認し、加筆修正という形をとらせてもらい、再録に踏み切こむ運びとなりました。
そのため、大分修正されています。以前読まれた方は、別物!?と思われるかもしれないほどに。

Destinyが始まってすぐのころ、アスランとミーアがディナーをするシーンがあります。
あのときの、必死になってミーアを否定するアスランの表情が、悲しいくらいに切羽詰っていました。
そこから生まれたのがこの作品です。
この作品の全ての始まりは、あの時の彼の表情と行動にある、と言っても過言ではありません。
あのときアスランには余裕がなかった。自分にできることを模索し、結果ザフトに復帰するという道を選んだ。それが本当に正しいのかどうかも、自分のなかでケリがついていないにも関わらず。
だから、振り返ってみれば「おいおい、ひどすぎるよ」、ということをミーアに向かって平気で言ってます。それこそ存在そのものを否定するような。
そのあたりから、アスランはよっぱど切羽詰まってたんだろうなと思っています。
他人のことばかり考える彼の性格と、存在を認めてもらいたかった過去や、この後の行動(脱走とかね・・・・)を振り返ってみると、なおさら。

本編では、結局アスランはミーアときちんと話合うことなく終わってしまいます。
そうなる前に、少しでも話してほしかったんです。ミーアとアスランに。
死後にディスクで語るのではなく、面と向かって話してほしかった。
多分ミーアは、本心からアスランに「ミーア」という存在を見てほしかったんでしょう。
それにアスランが気がついてあげれれば、最期に何か違ったものがあったのかもしれませんね。

あれ・・・これ後書きじゃないよね?話を戻しましょう。

ジブラルタル・・・ということで、執筆中は海岸線の石畳に並ぶたくさんのパラソルと太陽の光をイメージしていました。BGMはボサノバで。
ミーアとアスラン、この二人に於いて印象的なシーンは「雨」ですが、本来はこんな、初夏の晴れた海岸線でのんびりしているほうが似合っているのではないでしょうか。
そんな二人を思い浮かべて。
太陽の光の下で、笑いあっていてほしいですね。

では、長々とした後書きでしたが、お読みいただいてありがとうございました。
ブログ時代から続いている作品は、あと・・・ラグナロクとアスラス。こちらも自分の原点なので、早いとこ終わらせろよ・・・という思いがあります。思いだけは!あるんです!!精進がたりん・・・ほんとばか!

最後に。
ブログ時代にご拝読下さったみなさま、初めてご拝読くださったみなさま、再びご拝読下さったみなさま。
みなさまに、大きな感謝と愛をこめて。


ひなより
[2008.12.29]