22. 〜intermedio.U〜 その日、ベルリンでは、雪が降っていた。 ベルリンにいた誰もが、予想しなかった。 街が消えるという事が、実際に目の前で起きるなど。 そして、世界中の誰もが、予想しなかった。 『・・・恐ろしかったね。まさか・・ベルリンが消えるなんて。本当だ。消えたんだよ。普通戦争って言ったって、空襲に襲われたって言ったって、建物はある程度残るもんだよ。壊されたっていってもさ、建ってた当時の面影くらいは残るもんだろ。・・・・だろ?あんたもそう思うだろ?』 『すごかったよ。もう・・・。思い出しただけでも寒気がする。あれを人間が動かしてたって言われたって、信じられないね。・・・そうだ。あの、黒いでっかい化け物だよ!街の建物なんて気にしない。ほんとに潰すっていう表現がぴたりとあてはまるよ。あんたは見てないからわからないんだよ』 『ただね・・・。こんな事言うのは不謹慎だと思うだろうけどね・・。すごく、綺麗だったよ・・・。そうだよ・・・。真っ黒などす黒い空だったんだけどね・・・。雪が、降ってたんだよ。雪が・・・。一瞬、本気でここは天国かと思ったよ。だけどね・・。その白い雪が降る下で、人が死んでるんだよ。ぼろぼろになって。ゴミみたいに。・・・・天国を見た瞬間に、地獄を見せられたような気持ちだったよ』 『・・・たしかにな。だーれも予想してなかった。あれが始まりだったなんて・・・。ベルリンで終わると思ってた。だって、あんな大虐殺・・・!!あれが、あれが始まりだって、あんなのまだマシなほうだって・・・・そんな事誰も思わないさ!!』 『あれが、始まりだったんだよなぁ・・。おっと、すまん。んったく・・家のせがれが・・・。ああ。そうだな。今、家族で暮らしてることが夢みたいだよ。ベルリン、華南・・・。そして、アレだろ・・。ロゴス、とかなんとか・・・』 『あれからじゃないの?なんか、世界が傾いたっていうか、・・・。あの議長もやるねぇ。・・・いや、やめとくよ・・・。あれから数ヶ月、終戦までは・・ちょっと・・・。思い出したくないね。ああ。酷すぎたんでね。悪いがちょっと・・・。ごめんな。ああ。元気でな』 予想なんて、できなかった。 『ああ、全く・・・いえいえ・・。大丈夫ですよ。情報操作も完璧です。ザフトも”積極的自衛権”などとバカな言い訳をしているから、出てきませんし・・・。首相?そんなの、ちょっと脅せば言うことを聞きましたよ。・・・そうそう。大西洋連邦の大統領と同じですよ。はははっ。おもしろい事を言いますな。ええ。もう手は打ちました。ファントムペインを・・ええ。デストロイですよ。そいつらを華南へ向かわせてます』 『・・・始まったな・・・。ああ。まさかベルリンとは・・。で、そっちは?スカンジナビアは大丈夫なのか?・・・なんでって・・・スカンジナビア、ベルリンと近いじゃん・・・。まあな。中立だもんな・・・・・。で、”海の狼”と、例のあれ・・・・はぁ?もう!?相変わらず早いなー、アスラン!!お前SIFTでやっていけるんじゃないの?・・・んじゃ、その時は俺も一緒に・・・。・・・・はぁい。俺が悪うございましたぁ!・・・あー、こっち?こっちも相変わらず。コニーちゃん達が止めに行ってるけど、テロとかゲリラ戦とか、やっぱり起きてる。まあそれなりに、な。・・・・でさ、会ってほしいヤツがいるんだけど。・・・ああ。お前との面会、希望してる。・・・・わかった』 『まさか・・・ベルリンが焼かれるなんて!!どうするの、キラ君!?・・・そうね、まずはオーブへ行かなければ・・。ええ。華南も危ないものね。!!・・・そうね・・。ザフトは何をしているのかしら?華南に全勢力を向かわせているからかしら?・・・・・。議長ね。確かにキラ君の言うことは一理あるわ。あのデュランダル議長が何かを・・・!ミリアリアさんからは?・・・・。そう。まだ連絡はないのね・・・。そう言えば、カガリさんは?・・・・そう。また部屋に』 『ベルリンが焼かれましたか・・。2年前のように、戦火は拡大するばかりですわ・・。ええ。何故、人は争うのでしょうか・・・・。憎みあい、殺しあい・・。残るものなど、もうありはしないとわかっているのに・・・。・・・!ちょっとお待ちになって下さいな。・・・そうですか。あの2機がほぼ完成したようです。はい。フリーダムとジャスティスをモデルにした、あの2機ですわ・・・。それよりも、アスランの消息は掴めまして・・?そうですか。まだ、ですのね・・・。いえ。彼は戻ってきます。必ず、わたくし達のもとへ』 『ああ。私だ。・・・そうか。SIFTがベルリンの映像を確保したか。ああ・・。まだだ。まだ公表するな。・・・そうだ。オペレーション・ラグナロクの際にラクス・クラインと私で声明を出す予定だ。その時に一気に公表する。ああ。・・・・これが自分の首を絞める結果になるとは、ジブリールも思っていないだろう。今はまだ、泳がせておこう・・・・。・・・!そうか。ヴァルハラのほうも順調か・・・。さすがだな、あの2人は・・・アスラン・ザラ、そしてラスティ・マッケンジー。ああ。君は聞いたことはないのかね?2年前の、あの2人を・・・』 『大佐、ご無事で・・!ジンです。ええ・・。あの、ステラ達は・・・!?・・・・よかった!無事なんですね・・。これでしばらくは戦わずにすむんじゃ・・・。・・・!!そんな!!華南に!?なんでですか!?・・・・・ジブリール・・・!!こんな事をして・・!!ザフトは、今はまだなんの動きもありませんが・・・、でもいつまでも黙っている訳がないのに・・・!!それすらわかっていないのか・・!!・・・なんとかならないんですか?華南にはザフトの新型の機体2体が送られてるはずです!それを相手にしたら、アウルやスティングだって・・・!!・・・・。わかりました。今自分のやるべき事をします。・・・ええ。Aとの面会。Aと直接接点のある部下1名と接触がとれましたから・・・。ええ。大佐も、気をつけて』 これが世界を変える、そして焼き尽くす、始まりに過ぎないなど。 誰にも。 あんな結果に終わるなど。 誰にも。 誰にも。 BACK TOP NEXT |